新入社員・若手社員が最初につまずきやすい
「仕事とコミュニケーション」の基本
大学を卒業し、いよいよ社会人になる。あるいは、社会人になって数か月が経った。この時期は、多くの人が同じような不安を抱えます。
- ちゃんと自己紹介できるだろうか
- 職場の人と、うまくコミュニケーションが取れるだろうか
- 仕事の進め方が、これで合っているのかわからない
- 「社会人として大丈夫かな」と、常に緊張している
もし、今あなたが少しでもこうした気持ちを抱えているなら、それはあなただけではありません。むしろ、とても自然なことです。
社会人の不安は「能力不足」ではなく「経験不足」
最初に、はっきりお伝えしたいことがあります。
社会人になって感じる不安の多くは、能力が足りないからではありません。ほとんどの場合、「まだ経験していないだけ・やり方を知らないだけ」です。
大学までは、正解が用意されている・ゴールが明確・評価基準がはっきりしているという世界だったはずです。
しかし、社会人になると、そうではありません。
- 正解がひとつではない
- 仕事の進め方が人によって違う
- 「察する」「空気を読む」ことを求められる場面が増える
この環境の変化そのものが、緊張や不安を生みます。
ですから、「自分は社会人に向いていないのでは?」と感じる必要は、まったくありません。
新入社員・若手社員が最初につまずく「3つ」のポイント
では、社会人になったばかりの人は、どこでつまずきやすいのでしょうか。
様々な意見はありますが、ここでは次の3つに集約して解説します。
① 自己紹介・雑談・会話がうまくできない

- 何を話せばいいかわからない
- 変なことを言っていないか不安
- 沈黙が怖い
コミュニケーション上手というと、「話がうまい人」や「説明が上手な人」をイメージするのではないでしょうか。そのため、自己紹介や雑談の場面などで、何を話せばよいか分からず困ったり、変なことを言っていないか不安になったり、あるいは相手が沈黙した瞬間に焦ったりしがちです。
▶「話す力」よりも「コミュニケーションの姿勢」と「伝え方」が大切
実は社会人のコミュニケーションで本当に大切なのは、話のうまさではありません。
職場で信頼される人がとっているコミュニケーションは、①相手の話をきちんと聞く、②相手の立場を考える、③安心して話せる空気をつくる、といった基本的な姿勢をもって行動することです。
自己紹介の場合は、まずは「あなたの名前がわかること」と「あなたが何者かがわかること」を目指しましょう。
社会人だと、初めて会う相手には名刺交換をすると思います。ただし、名刺交換は自己紹介とは違います。名刺を渡し「××会社の〇〇です」と伝えるだけで、相手はあなたがどのような人間か理解できるでしょうか?
そこで、名刺交換の際は自分の名前を名乗るだけでなく、相手の記憶に残りやすいよう、「名前の説明」をすることや、「自身が心がけていること」を伝えてみるとよいでしょう。それだけでも相手に親しみを感じてもらえるものです。
② 仕事の進め方がわからない

- 何から手をつければいいかわからない
- 優先順位の付け方がわからない
- 忙しそうな先輩に質問しづらい
仕事の簡単な流れを説明されただけで、そのまま任される。「具体的な仕事のやり方」は誰も教えてくれないのに、結果は求められる。これは、新入社員あるあるです。そのため、若手社員の多くは、「自分は仕事ができない」と感じてしまいます。
しかし実際には、ゴール設定の仕方を知らない、仕事を細分化する方法を知らない、優先順位の付け方を知らない、といった「仕事のやり方」に関する知識が不足しているだけです。
▶「仕事のやり方」はゴールを決めるところから
「仕事のやり方」はセンスの問題ではありません。
誰かが体系的に教えてくれれば、誰でも身につけられるスキルです。
例えば、① 最初に「ゴール」や「目的」、「期限」を確認する、②仕事を一気に全部やろうとするのではなく、最初に取り組む内容を行動レベルで切り出してみる、③完璧を目指さず、途中で確認してもらうなど、こういったやり方を知っているかどうかで、不安は減らせるものです。
もし、どうしても最初の行動が分からず、上司や先輩にも聞けない場合は、生成AIなどに質問することも有効です。ただしその際は、①まずは社内で生成AIの利用が許可されているかを確認する、②利用が許可れている場合、どういった作業であれば利用してよいのかを確認する(議事録の作成は利用OKなど)、などの手順が必ず必要です。
③ 人の顔や名前が覚えられない

- 会議で会った人の顔が思い出せない
- 名前と顔が一致しない
- 声をかけるのをためらってしまう
この小さなストレスが積み重なると、職場での居心地が悪くなってしまいます。一方で、顔と名前を覚えると、仕事は驚くほど楽になります。
例えば、顔と名前を覚えているだけで、相手に声をかけやすくなり距離が縮まったり、雑談や相談がしやすくなったりと、結果として仕事もスムーズに進みます。
▶顔と名前を覚えるコツは「印象」
「顔を覚えるのが苦手だから……」と思っている人も多いですが、これも実は記憶力の問題ではなく、方法の問題です。
顔の覚え方にも、いくつかコツがあります。
例えば、顔を「細かいパーツ」ではなく「印象」で覚えること。芸能人や動物など、他の何かに結び付けて覚えること。顔と名前を覚えたら、早めに一度声をかけることなどです。
顔を覚えることは、相手を大切にしているというメッセージにもなりますよ。
社会人になる前後に読んでほしい3冊の書籍
ここまで紹介してきた「コミュニケーション」「仕事の進め方」「人間関係」について、ここでは、それぞれの課題を解消する書籍を、今回は3冊ご紹介します。いずれも、大学卒業間際〜若手社員にこそ読んでほしい内容です。
自己紹介やコミュニケーションの基本がわかる
『5分で惹きつけるコミュニケーション』
沖田 一希 著、新書判 204頁、税込880円
※書籍クリックで詳細に飛びます。
この書籍は、予備校講師が主にプレゼンテーションについて解説をしている内容です。そのため、新人・若手にはまだ必要ないと感じるかもしれませんが、「成功するマンツーマン・少人数コミュニケーション技術」として、コミュニケーションの基本や、自己紹介の方法など、「新人のときに知っておきたかった!!」という内容が含まれています。
また、信頼関係の築き方(ラポール)やあがり症の対策などもわかるので、そういった点に不安を感じている人は、ぜひ手に取ってほしいと思います。
【こんな人にオススメ】
✅自己紹介のやり方が知りたい
✅あがり症を克服したい
✅聞き方のコツ、相づちのバリエーションを複数もちたい
✅営業やサービス業だが、お客さまと会話に自信がない
「うまく話さなければ」と力が入りすぎてしまう人ほど、肩の力が抜ける一冊です。
新人社員は、ぜひ第6章を読んでください!
社会人生活のスタートに選んでほしい、仕事の進め方がわかる本
『社員研修では教えない、仕事の本当のやり方』
深谷 行弘 著、新書判 208頁、税込880円
※書籍クリックで詳細に飛びます。
新入社員研修では、あいさつやお辞儀の仕方・ビジネス敬語と文書の作成方法・電話対応やメールの使用方法・名刺の渡し方などは教えてくれますが、実は「仕事のやり方」は教えてくれません。
そこで、この書籍では、心理カウンセリングを取り入れながら経営コンサルタントとして活躍している筆者が、社会人として生き抜くための基本スキルを解説しています。
- 仕事のやり方を自分で見つけ出せるスキル(仕事のゴール設定や段取り、優先順位の考え方など)
- 嫌なことがあったときに、自分の気持ちを保つことができるスキル
- 自分が活動しやすい人間関係を築けるスキル
これらのスキルを早い段階で身に付けることができれば、転職して別の仕事に就き、仮に同じように悩んだとしても、自分の力で立ち向かい解決していくことができます。
【こんな人にオススメ】
✅仕事のやり方を教えてくれる人が周囲にいない(忙しそうで聞けない)
✅作業概要はわかるが、手順や進め方の段取りが理解できていない
✅仕事の優先順位の付け方がわからない
✅先輩や上司に相談する方法が分からない
✅ミスや嫌なことがあったときに、立ち直る方法を知りたい
緊張や不安を感じることが多く、「自分は仕事ができないのでは?」と悩んでいる人は、「~すべき」や「~しなさい」と書かれていると、辛くなるときがあるものです。
カウンセラーとして多くの人の悩みに寄り添ってきた筆者だからこそ、仕事のやり方を上から目線で語っていません。また、企業の課題をコンサルティングで解決してきた実績があるため、企業経営者や管理職が求めるレベルを理解しており、そのレベルを目指すために必要なことを、新入社員にもわかるように具体的に説明しています。
仕事にモヤモヤしている人なら、まずは試し読みをオススメします!
顔と名前を覚えるために似顔絵を活用!?
『ビジネスマンの似顔絵活用超入門』
小河原 智子 著、新書判 204頁、税込880円
※書籍クリックで詳細に飛びます。
「何で似顔絵?」と不思議に思われるかもしれませんが、似顔絵を描くということは、顔を識別するということです。
この書籍は、似顔絵を描く方法を解説する中で、顔と名前を覚えることを武器にするための具体的な方法が解説されています。
- 人の顔をどう見れば覚えやすいか
- 記憶に残るポイントの見つけ方
- 仕事での活かし方
「顔を覚えるのが苦手」という悩みは、実は多くの若手社員が抱えています。その悩みに、似顔絵という切り口から向き合った一冊です。
私たちは人の顔を「第一印象のイメージ」と「何となくの目鼻の配置」で認識しています。

目鼻口眉耳といった1つ1つの細かいパーツや輪郭、髪型などを全部覚えるのではなく、ポジション式似顔絵法で、まずはパーツの配置(=ポジション)から特徴を認識し、顔と名前を覚えましょう。
不安を感じるのは、成長しようとしている証拠
社会人になると、「ちゃんとしなきゃ」「迷惑をかけられない」と、自分に厳しくなりがちです。そして、不安を感じるのは、真剣に向き合っている証拠でもあります。
今回紹介した書籍は、そんな不安を「行動に変える」ためのヒントが詰まっています。
いきなり完璧な社会人になる必要はありません。
少しずつ、人と話すこと・仕事の進め方・人との距離の縮め方を身につけていけば大丈夫です。社会人としての生活を少しでも安心して過ごすために、自分に合う方法を探してみてください。
おまけ
社会人になると、お金の使い方に不安を感じる方も少なくありません。
なぜなら、これまで聞いたこともなかった単語を聞くことが急に増えるからです。
- 給与所得
- 健康保険
- 雇用保険
- 労災
- 所得税
- 住民税
- 年末調整
- 源泉徴収票
- 確定申告
会社が給与明細の見方を教えてくれることは基本的にないでしょうし、いくら上司や担当部の人とはいえ、自分の給与明細は見せたくないものでしょう。
結果として、給与明細に書かれている単語の意味がわからず、なぜか支給されている「基本給」に比べて、圧倒的に「手取り額」が少ない……と理由もわからず悩み、不安になるかもしれません。
そういったことを教えてくれる無料の動画も多数ありますが、難しい単語や制度に関する説明であるほど、一度動画を見ただけでは覚えていられないものです。
お金の使い方に不安を感じている人に書籍の購入をオススメするのは気が咎める部分もありますが、将来への投資としてお金の使い方を知っておくための1冊として、こちらの書籍を紹介しておきます。
とにかくお金の知識は一生役に立つ!
『お金のトリセツ100』
菱田 雅生 著、A5判 260頁、税込1,760 円
※書籍クリックで詳細に飛びます。
今後、あなたの人生では、どのような問題に直面する可能性があるのか? どのような備えや心構えが必要なのか? お金について漠然とした不安を抱えていませんか?
この書籍は、時系列でお金の知識がまとまっているため、”今”と”未来”で必要な準備や対応がわかります。
ぜひ、将来のためにお金の不安を少しでも減らしたい方は、試し読みだけでもしてみてください。
最後に
ここまで記事を読んだ中には、自分はこのレベルは既に到達している。という方もいるかもしれません。
ある程度業務に慣れてきた方には、「交渉のスキル」や「選ばれる自分になるスキル」「周囲を巻き込み自分でコントロールできる範囲を広げるスキル」など、別の知識・スキルが必要となりますので、また改めてご紹介をさせていただきます。






